DEVIL?
-作品コンセプト-
この女の子は、本当は純粋で弱い女の子。
弱い自分を隠すための鎧としてタトゥーを纏い、
自分の存在を確かめたいがためにピアスが増えた。
(弱い自分への反抗)
そしてそんな彼女を見て人はどう思うだろうか?
見た目だけで彼女を決め付けていないだろうか?
先入観、偏見とは愚かである。
(他者への反抗)
わたしの大嫌いな言動が「偏見」「決め付け」「押し付け」である。
容姿に対してだけでなく、どんな物事に対しても。
深く考える前に、理解しようとする前に否定する愚かさ。
食わず嫌いをするのでなく、まずは匂いを嗅ぎ、舐め、咀嚼してみてはどうか。
そこまで試して「まずい」なら「まずい」でいい。
それを「美味しい」と言う人を否定することもまた愚かである。
-マテリアルについて-
女の子部分はインクジェットプリント。
アウトラインの太線、タトゥー、涙、「DEVIL?」とサインはアクリル絵の具でTシャツに直描きしています。
ピアスは布地に穴を開けて装着しています。
首元、袖、裾には切りっぱなし・ダメージ加工を施しています。
洗濯には不向きです。
-メイキング-
私自身、人のメイキング写真やメイキング動画を見るのが好きなので、解説や小話も交えながら紹介してみます。
まずはクロッキー帳に下書きを。当初のイメージ図でもあります。
今改めて見て、ピアスの少なさに驚いています。
ちなみに、もし自分が悪魔族として生まれていたら自分の持つアイテムたちをどう飾るだろうかと考えながら装飾を施しました。
とにかく翼はピアスだらけにするだろうし、しっぽの先っぽに着けるタイプのアクセサリーなんかもあるんじゃないかと。
パソコンに取り込んで線画を描き込みます。
色塗り工程が飛びますが、完成した線画にベタで下地の色を塗り、少し影を重ねました。
でも顔がタイプじゃなくなったので描き直します。
タイプに寄りました。(「つり眉+タレ目+上向きの鼻+厚い唇」が好きです。)
軽く影をつけます。肌にハイライトも。
顔のパーツを整え描き込んでいきます。
ハイライトや、影の更に暗い部分も足します。
翼を塗ります。コウモリの翼を参考にしましたが難しかったです。
しっぽアクセサリーはどこかに落としてきました。(不要かなと思ったので消しました。)
色相明度彩度をいじって好みの色にしたらペンタブお絵描きは終了です。
(使用ソフトはSAI2。)
絵が完成したらTシャツプリント業者さんへ発注。
届きました。
黒地への印刷なのでカラーインクの下にホワイトインクを塗布しており、はみ出しが気になります。
ので、はみ出ている部分はアクリル絵具でアウトラインをとることで消しました。(作業写真なし)
次に、トレーシングペーパーにタトゥーの下絵を描きます。
カーボン紙を使って女の子の体に転写し、アクリル絵具でなぞり、描き込みます。
合間に、Tシャツ全体に絵具を散らしました。
手に天の川ができました。
ピアスを着けます。
いくら着けても満足できず、まだ足りない、まだ足りないという心境に陥り、
ああ、ピアスをたくさん開けている人はこんな気持ちなのだろうか、と、疑似体験ができました。
完成写真撮影。
この写真を見て解説し忘れていた工程が2つあることに気付きました。
1つ目。タトゥーを描いたあと、目から青い絵具を垂らし涙で訴えてもらいました。
一瞬で垂らし終えるかと思いきや布が水気を瞬時に吸い込んでしまうため苦戦し、20分ほど費やしました。
2つ目。女の子の下にタイトルとサインを入れました。
この色ですが、紫みのグレーを作りたくて白+紫+黒を混ぜたら紫が強く出てしまい、
紫みを消すため補色の黄色を混ぜたら次は黄色に寄ってしまい、
その黄みを消すために紫を混ぜ、もう少し暗くしようと黒を混ぜて出来上がった苦労色です。
ようやく完成した、と電気を消して布団に入ったのが搬入当日午前3時。
5時間寝られる。ふぅ。と一息ついて、思い出してしまいました。
「あ、チェーン垂らしたかったんだった。」
そして更に1時間掛け出来上がったのがこの記事一番上でご紹介した写真のTシャツです。
[ちなみに]
タトゥーの絵柄についてもしっかり意味付けがあるのですが、
大々的に書くと面白くないので気になる方は「タトゥー 図柄 意味」と検索して推理してみてください。
- ROCK A T-SHIRT SHOW! -
昨日無事展覧会の搬入を終えて参りました。
どの作品もとてもパワフルでユニークで、心が躍ります。
ぜひ、会場までお越しください。
オープニングパーティーやワークショップもございます。
詳細は↓より。
2018.1.16(Tue.)-1.28(Sun.)
11:00-19:00(最終日は17:00まで)
愛知県名古屋市東区泉1-13-25 アートビル4F セントラルアートギャラリー
0コメント